【レビュー】Campfire Audio ANDROMEDA 今聴くべき音

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M31(アンドロメダ銀河):アンドロメダ座で最も有名な恒星以外の天体であり、肉眼で見ることのできる最も遠い物体とされる −Wikipediaより

 「イヤホンは随分遠くまで来たんだな。」ANDROMEDAを聴いた時、イヤホンの長い進化の歴史を想い、そんなことを考えました。

 ANDROMEDAの極限まで高められた「音のリアリティー」は、イヤホンが創り出す虚構という限界を越え、「今そこで演奏されている」かのような臨場感として耳に飛び込んできました。

 Campfire Audioが送り出した新しいフラグシップイヤホンANDROMEDAは、高域×2 中域×1 低域×2という構成の5BAドライバーイヤホン。Resonator assemblyと名付けられた「チューブレス設計」を採用しているのが大きな特長で、これによって他のBAイヤホンには無いダイレクト感を味わうことができます。

 ケーブルから筐体まで隙のないデザイン性と高い質感を持っており、職人のこだわりが感じられる作りになっています。音も一級品ですが、見た目の美しさも筆舌に尽くしがたいものを感じますね。

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 ANDROMEDAの登場で多くの読者諸兄は、JUPITERとの比較が気になっているのではないでしょうか。聴き比べた結論から申し上げると、音の印象はかなり違います。JUPITERはシングルBAイヤホンのORIONが持つ透明で美しい音をさらに推し進め、上下に肉付けしたような雰囲気を持っていますが、ANDROMEDAはJUPITERよりも「音がかなり濃くなった」印象を受けました。これによって、臨場感や迫力に大きな差が出ています。ANDROMEDAの方がぐっと感動的な音づくりと言って良さそうですね。

 この変化はもしかすると、ORIONやJUPITERファンの方には受け入れられないかもしれません。実際、爽やかな音の方が好きだという方も多いと思います。とはいえANDROMEDAにおいても、Campfire Audioらしさである「ある種の空気感を持った音のリアリティー」は少しも失われておらず、スネアの弾ける音、シンバルの広がり、リムショットの実在感と、ドラムスを中心に聴く私には芯に響くものがありました。

 それに加え、ANDROMEDAには耳を飛び越えて心の臓にまで迫るかのような壮大さを感じます。タイトになり過ぎずにベースプレイがはっきり見える質の高い低域、シンバルが飛び交う曲では耳がやられかねないほど正確に描写する高域、音楽の感情的な部分にフューチャーしたような音像は、まさにエモーショナル・ハードコアな鳴り方。個人的に「最もエモいイヤホン」の称号を進呈したいと思いました。

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ケースも一級品。

 これほどのランクのイヤホンになると、音の良し悪しや音楽の合う合わないという話はあまり意味をなさないように思います。人におすすめされて買う価格じゃないですし、自分の好みを分かった上で買う人が多いでしょう。ただ言えることは、数多の星たちが輝くイヤホン界で、ANDROMEDAほど音に現実性を持った機種はそう無いということです。(それを好きか嫌いかはまた別の話ですけども)

 心地よい音を求める人には、このイヤホンの音はちょっと強烈すぎるかもしれません。それでもこれほどエキサイティングな音を聴ける機会は、この先何度あるのか…と思うと、その音に心酔すると共に、自分の財布とにらめっこが始まってしまうのでした。イヤホン好きの方は必聴です!