【レビュー】audio-technica ATH-WS1100 重低音と解像感のあいだ

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ども。すぎやまです。
すこぶる評判の良いオーディオテクニカさんのATH-WS1100を聴かせて頂けることになりましたので、レビューしたいと思います。

なんでもコレを聴いたBARKSの編集長さん、顔がニヤたまま治らなくなってしまったそうで…。
実に罪深いヘッドホンです。ずっとニヤけたまま生きていくのは辛いなぁ。

 
突然、自分語りを始めますが、私とオーテクさんの思い出といえばEARSUITシリーズ「ATH-ES7」です。
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調べたら発売は2005年なんですね。どおりで歳をとったわけだ…。
ES7の中高音は本当に「美音」というのにふさわしい音で、愛用させてもらいました。デザインもカッコ良かったですね。装着感はちょっと悪かったけど…。今でもたぶん実家のどこかにあるはずです。
そんな愛着あるEARSUITシリーズも新作が出たので、そちらも気になっております。
 
しかしながら、今回レビューするのは重低音がウリのSOLID BASSシリーズ。
その中でも最上位に位置する「ATH-WS1100」です。

重低音と超解像のハイレゾ再生を両立したモデルとのことで「次世代の重低音再生」と銘打たれています。
どんな音なのか気になりますね。さっそく聴いてみましょう。

オーディオテクニカ ATH-WS1100レビュー

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ケーブルは着脱式

アラウンドイヤーの装着感はGOOD

まずはいつも通り装着感からですが、WS1100は耳がすっぽり収まるアラウンドイヤータイプになっています。ドライバーと耳の間に空間ができる程度に距離があり、装着しても耳が潰されるようなことはありません。
イヤーパッドもクッション性が高く、耳が痛くならないのはウレシイですね。冬にピッタリの「耳あて」としても使えそうです。(少し高いですが)

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意外と深さのあるイヤーカップ

質感は良いが、音漏れは…

ヘッドバンドの素材やハウジングの質感、全体の仕上がりを見ても安っぽさや不安な部分はありません。さすがオーディオテクニカさん。高い品質で長く使える製品だと思います。
 
しかしながら一方で遮音性はあまり高くないですね。
ハウジングの外側には円状のベントが設けられていて、そこからの音漏れも結構あります。重低音を作る上では必要な構造なので仕方ありませんが、気になる方には注意が必要です。

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円状の溝が空気の通り道になっている。

重低音モデルの常識を覆す音質

WS1100の音質については、ドンシャリとかカマボコとか、従来的な表現で語るのがなかなかに難しいです。
低音については、厚みや量感がありながらも圧迫感をまるで感じない音になっています。Beatsをはじめとした一般的な重低音モデルは、低音によってヘッドホン自体がブルブル揺れたりしますが、WS1100ではそういったことが起こりません。

低音の量はあるのですがヘッドホン自体が鳴り動くといったことがなく、そのことによってどこか冷静というか落ち着いた雰囲気といった感じがします。

これには振動板やベント構造が大きく作用していそうですね。音に圧迫感がないことで、聴き疲れしにくいサウンドになっているだけでなく、中高域への音被りも最低限で済んでいるような印象を受けました。

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ケーブルは抜き差し容易で持ち運びが楽。

中高域はクリア、ボーカルは冷静

低音だけでなく全体的な音のバランスに目を向けてみましょう。
厚みのある低音に支えられながらも、中高音はクリアさを少しも失っているように感じません。押し出すよりは包み込むというような低音のおかげなのでしょうか、うまい具合にバッティングせずにお互いの存在感を感じることができます。

ボーカルに関しては、耳元より少し距離をとった位置から聴こえてきます。情熱的な歌声というよりは冷静に歌っている印象です。高音のエッジはバランスが良く、刺さるほどではないですが、かといって丸くもない絶妙さです。

WS1100は一聴するとたしかに低音モデルなのですが、じゃあEDMやテクノを聴いてノリノリのヘッドホンかと言われれば違うような気がします。
先ほどから度々書いていますが、WS1100の音は情熱的なビートの中に、どこか落ち着いた雰囲気と冷静な部分があり、その点を気に入るかどうかで評価が変わってくると思うのです。

WS1100で聴きたい音楽はコレだ!

WS1100に合う音楽は良い意味でいろいろと迷ったのですが、聴いていて1番しっくりきたのは「DE DE MOUSE」ですね。

熱く燃えるビートの中にもどこか冷め切った哀愁があり、それが切なさと相まって爆発する感じがベストマッチです。
WS1100はヘッドホンとしての素養が高く、多くの音が飛び交う曲も難なく鳴らします。重低音と高音が錯綜するDE DE MOUSEの曲にはまさにピッタリですね。
 
その他は「serph」なんかもオススメです。

この曲も低音のストリングスと高音が絡まながら進みます。
こちらはDE DE MOUSEとは逆で、冷め切った音の中に熱いものを感じるタイプ曲ですね。どちらの曲もWS1100の性能の高さを感じることができます。
うーん素晴らしい。

総評

WS1100の発売は、「ヤマアラシのジレンマ」のような状態にある「低音と高音」の関係に一石を投じるものだと思います。その試み自体に既に価値があり、一定以上の成果も挙げているように感じられました。

思うに低音と高音の関係は言ってみれば「男と女の関係」に似ていると思っています。
持ちつ持たれつもあれば亭主関白やその逆もあります。

WS1100の場合はさしずめ「冷静と情熱のあいだ」といったところでしょうか。
「オレがワタシが」といった主張合戦でもなければ、お互いが引っ込んでいるわけでもない。面白い取り合わせが、良いコンビになっていると思います。

単に重低音を期待して聴いたのでは肩透かしを食らうかもしれませんが、このヘッドホンが目指すものを理解した上で聴いてみれば、ハマる人にはハマる音になっています。

しかし他のシリーズに比べるとかなり大胆な音づくりになっていますね。その点がSOLID BASSシリーズの面白いところなのかもしれません。
一聴の価値ありです!

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