ヘッドホンレビュー

【レビュー】HIFIMAN Edition X いつか必ず欲しい音

1458045252_thumb.jpeg

 今回レビューするHIFIMAN Edition Xは、今までレビューしてきた中で1番高価なヘッドホンです。恐らくヘッドホンに関しては、これより高価な機種をレビューする機会は無いかもしれません。というのも、高価なヘッドホンの多くは「ポータブルでは鳴らない」からです。

 多くのハイエンドヘッドホンは、高価なDACやアンプ、電源、ケーブルといったものを当然のように要求していきます。能率が低いものも多く、そういった機種ではスマホやポータブルDAPで音量を取ることすら困難です。確かに高価な機材を揃えて聴くハイエンドヘッドホンの音は、何にも代え難い素晴らしいものがあります。

 しかしそういった機材で自慢気に「高い機材を揃えて聴いたら良い音でした」という記事を書いても、私自身あまり魅力を感じないというのが正直なところです。だってそんなにお金をかけた機材で音が悪いことの方が驚きですからね。だからそんな記事は面白くないなぁと思うのです。なのであまり高価な機材には手を出さないつもり。庶民派でいきます。

 その点でいうと、今回のHIFIMAN Edition Xは「スマホでも鳴る」という、ハイエンドヘッドホンとしてはとても稀有な存在です。何より「ポタアンで十分鳴るよ」と言われてしまったら、試してみたくなるのが人情ではないでしょうか。そんなわけで今回、Edition Xをレビューする決心をしたわけです。

 まぁ結局何が言いたいかと言うと「これからEdition Xを絶賛するけど、高いから褒めてるわけじゃないし、そういうレビューを続けるつもりはないから怒らないでね」という予防線を貼りたかったのでした。

1458045293_thumb.jpeg

HIFIMAN Edition X レビュー

 Edition Xは音質もさることながら、装着感も特筆すべき良さを持っています。本体は重厚に見えまずが、着けてみると思ったよりも軽く感じました。イヤーパッドは触れる部分が起毛になっていて、つけると優しく包み込んでくれます。イヤーパッド内の空間はとても広く作られているので、耳が大きい人でも安心してつけることができるでしょう。これで耳が入らない人は「自分はエルフ族なのだ」と認識して、ヘッドホンは諦めるしかありません。

 音質についてはどこから話せばよいやら…。それほどまでに素晴らしい音をしていると思います。特に気に入った点「音場」ですね。こもり感が無く、広いダイナミックレンジを持つ開放型の良さが、最大限に引き出されています。Edition Xの持つ音場は広大で、その広さが与える印象をひと言で表現するならば「孤独」と言ったところでしょうか。狭い部屋でしかめっ面して聴いていた私ですが、気づけば砂漠にいるような気持ちになりました。静寂と不安の間を泳ぐようなサウンドです。

 ハウジングと耳の間には適度な距離が保たれていて、脳内で音が響く感覚は最小限に抑えられています。平面駆動ドライバーから出される音は正確無比で、どこまでも生生しく、限りなくドライです。再現性はとても高く、静かな部屋ならば音量をかなり絞っても音楽として破綻なく聞こえます。俯瞰してみると全くもってフラットな音のように感じますが、ローとハイの主張はやや抑え気味で中域にフォーカスしています。これはHE400iも似ているので、HIFIMANのサウンドコンセプトなのでしょうね。

 Edition Xで聴きたい曲を考えてみました。EDMみたいなものを除けば、苦手な音楽は無いように思います。孤独を感じるほどの音場なので「World’s end girlfriend − 100年の窒息」なんて最高ですね。曲中のかなり細かな音まで聴かせてくれるので、さらに孤独感が高まりました。

総評

 とにかく恐ろしいヘッドホンでした。ポータブルで鳴らせるヘッドホンとしては、何かに到達してしまった感があります。正確に言えば「私の中の何か」ですが。はっきり言ってEdition Xは高いです。「この音質なら値段としては〜」みたいなありがちな賛辞を送るつもりはありません。ただそれでも抗いがたい魅力があるのは間違いないと思います。

 私としては「ついにゴール見つけちゃったかな」という気持ちですね。これからも高級なヘッドホンはどんどん出てくるでしょうけど、これを超えて欲しいと思えるものに出会えるのか…自信は無いです…。それほどまで質感・装着感・音質の3拍子で満足させられてしまったヘッドホンでした。

 店頭の試聴では周りがうるさいこともあり、サクッと良さが分かりづらいヘッドホンかもしれません。それでも一聴の価値がある1品だと思います。文句なくおすすめ!私の中では「いつかは欲しい夢のヘッドホンランキング」で1位になりました!いや、それにしても高いよ…。たまにセールで20万円を切ってることがあるみたいなので、そこら辺が狙い目ですかね。

関連記事

  1. JVC HA-FX1100 【レビュー】JVC HA-FX1100をついに買いました
  2. 615XWX48pEL._SL1200_ 【レビュー】ULTRASONE GOの音質は?
  3. JVC SU-AX01 【レビュー】JVC SU-AX01 オーディオの面白さ凝縮した1…
  4. TU-HP01 【レビュー】冬にピッタリ!楽しい真空管ポタアン TU-HP01
  5. イヤホン イヤーピース イヤーチップ 比較 イヤホンのイヤーピース おすすめ6種を聴き比べました
  6. Canon EF-M28mm F3.5 マクロ IS STM 【開封】Canon EF-M28mm F3.5 マクロ IS S…
  7. 20150903204715 【レビュー】Aurisonics BRAVOシリーズ 4機種を聴…
  8. 2016DAP 2016年版 おすすめハイレゾ入門DAP 3機種を紹介

ピックアップ記事

  1. Apple AirPods
  2. 20151010180330
  3. 20151117162508
  4. rock zircon
  5. 41LZUhiNyKL
  6. obravo
  7. XELENTO REMOTE
  8. vega2
  9. moxpad MO-X9
  10. erib-5a

おすすめ記事

N60NC 【レビュー】AKGの新シリーズ N60NCの音質をチェック main_hpnhl11 増えるLightning対応イヤホン 今後の主流になるか? kanasama 【6/1CD発売情報】今週の気になる新譜は? 51JfGGUOmaL 【レビュー】final SONOROUS Ⅱ&Ⅲ の音質は? XD-05 【レビュー】xDuoo XD-05 アンプの楽しさあふれる1台
PAGE TOP