イヤホンレビュー

【レビュー】Fidue A85 VIRGO これぞハイブリッドの進化型

Fidue A85 VIRGO

 ども。朝はかなり寒くなってきましたね。秋から冬への移り変わりを感じます。っていうか毎年、秋ってどんどん短くなってる気が…。

 秋は新製品が多くて忙しいからですかねぇ。ヘッドフォン祭も気づけば今週末になっていました。今回はどんなものが出てくるか楽しみです。

 さて今回は、Fidueの新しいハイブリッドイヤホン A85 VIRGO(ウィルゴ)をレビューしていきたいと思います。ちなみにA85は型番で製品名がVIRGOのようです。VIRGOは「おとめ座」という意。前作のSIRIUSからの流れを汲んだネーミングなんでしょうか。さっそく見ていきましょう!

Fidue A85 VIRGO レビュー

Fidue A85 VIRGO

パッケージ
本体がチラ見えしてます

Fidue A85 VIRGO

付属品は豊富
ギターピックみたいなのはなんだ?

Fidue A85 VIRGO

パッケージの内側に使用方法が。
なるほど!そう使うのか!

Fidue A85 VIRGO

本体写真1
内側はツルっとしたデザイン

Fidue A85 VIRGO

本体写真2
MMCX端子を採用

Fidue A85 VIRGO

付属ケーブル
赤青で左右が分かりやすい

Fidue A85 VIRGO

ケーブルとイヤピをつけたところ

 VIRGOはMMCXでリケーブル可能なハイブリッドイヤホン。A83は独自のMMCX端子だったため汎用ケーブルは使えませんでしたが、VIRGOでは汎用ケーブルも使用可能になりました。

 付属品はオリジナルケースも入っていてなかなか豪華になっています。中でもユニークだったのがギターピックのような形をした金属片。最初は何に使うのか分からなくてパッケージを見てみたら、本体からケーブルを外すために使うものだと分かりました。この発送は無かったなぁ。面白い!

 アルミの削り出しで作られたハウジングはとても軽量で、耳にピッタリとフィットします。ケーブルは特製の6芯銀メッキOFCとなっていて、取り回しも良く扱いやすいです。耳かけ部分は私が好きなワイヤーレスだったので、装着感はとても快適でした。

VIRGOの中は結構すごい

 VIRGOはカスタムチューンBAと特製のダイナミックドライバーが搭載された2BA+1DD構成になっています。ハイブリッド型はユニット配置などの設計が音質にとって重要ですよね。ということで、中身はどうなっているのか、写真をお借りしました。

Fidue A85 VIRGO

VIRGOの中身

Fidue A85 VIRGO

5軸加工で作られた複雑な構造の筐体

 ハイブリッド型イヤホンは広い周波数特性をカバーできる反面、BAとダイナミックはドライバー特性が全く異なるため、どのように音に一体感を持たせるかというのが最大の課題と言っても過言ではありません。

 VIRGOはその問題を精密なハウジング設計と、ユニット同士の干渉を防ぐ独立機構によって解決しているようです。それが分かるのが5軸加工で作られた筐体。5軸は3軸では作れない複雑な形状を削り出すことができます。だたその分、製造費用がめっちゃお高い…。

 この5軸加工によって、BAとダイナミックのそれぞれが独立したハウジングのような構造になり、相互の干渉が防止されるわけですね。これは音質を設計する上ではとても有利な構造だと思います。

 ただ相互干渉が防げばそれで問題解決かと言うとそうではありませんよね。そこからダイナミックとBAをいかにスムーズに鳴らすかが重要なポイントです。そのためには必要な音と不要な音を選別しつつ、帯域の切り替えや被りをコントロールしなければなりません。それを可能にしているのがこのパーツ。

Fidue A85 VIRGO

高精度電子周波分離ユニット

 ハイブリッドイヤホンの中にはフィルターやアコースティックなチューニングによって自然な音の繋がりを目指したモデルもありますが、VIRGOはより高精度なチューニングを実現するため「高精度電子周波分離技術」いわゆる”ネットワーク”を使っています。

 ネットワークを使う是非はあると思いますが、VIGROがよりスムーズで自然な音を目指して精細に作られており、ただBAとダイナミックを突っ込んだだけの安価なイヤホンとは全く違う物だというのは分かって頂けたと思います。

Fidueらしさを感じる明快なサウンド

 VIRGOは低域に質の高さを感じるバランスに優れた音をしています。全体に明るくエネルギッシュな音色で、ロックやポップスとの相性の良さそうです。

 A83のような良くも悪くも突き抜けたサウンドにはなっておらず「ちょっと大人になったなぁ」という印象を受けましたが、相変わらず聴いていて楽しいFidueサウンドに仕上がっていると思いました。

 前モデルのSIRIUSが低音よりのイヤホンだったので、チューニング自体はその流れを汲んでいるようですね。A83のようなギンギンした高音の出方はしておらず、中低域を中心にバランスよくまとまっている印象です。

 ロックを聴いた時はキック、スネア、タムの鳴らしっぷりはダイナミックの良さが全面に現れていて、シンバルはBAらしい金属感をしっかり聴くことができます。特にキックはしっかりと圧の効いた音を出してくれるので、とても気に入りました。

 中高域は音の抜けが良く、スネアもよく響きます。抜けが良いので音場もやや広めの印象。ハイブリッド型はボーカルが引っ込んでしまうパターンが結構あるのですが、VIRGOは近くで聴かせてくれるのでボーカル重視の方も問題なさそうです。サ行の刺さりも聴こえないので、このあたりはチューニングの巧さが出てますね。

 音の分離感もゴリゴリのマルチBA機ほどではないですが、充分に高いレベル。定位感はシングルダイナミックと比べてしまうとやや不満が出ると思いますが、クラシックなど聴かない限りは大きな問題にはならないでしょう。

 全体には「いかにもハイブリッド」というような不自然さは無く、スムーズなチューニングになっていると思います。Fidueと言えば、ピーキーなチューニングなイメージだったんですけど、SIRIUSあたりから音づくりも上手くまとまってきたようですね。

VIRGOで聴くならこんな曲

 VIRGOは低域の聴かせ方が上手なロックサウンドだと感じたので、マッチする曲はこんな感じになりそうです。

神聖かまってちゃん − 夕暮れの鳥

 まずは神聖かまってちゃん。イントロのドラムスがグッときます。読者諸兄のイヤホンはグッとくる鳴り方してます?それにしてもこの曲、絶妙な気味の悪さと美メロのギャップが素晴らしすぎる。間奏でわざと半音はずしてきてたりね、確信犯。

 かまってちゃんはデビューアルバムは好きだったんですけど、それ以降はなんかピンと来なくて…。なんか痛いキャラみたいなの作ってたのも合わなかったのかなぁ。でもこの「夕暮れの鳥」にはやられました。個人的に2017年のトップ10には間違いなく入る1曲!

きのこ帝国 − 平行世界

 続いてきのこ帝国。明るい音色とか言っておいて思いっきり暗い曲なんですけど、こういう曲もVIRGOには全然アリ。この曲はイントロのボーカルに被せて鳴る「2キック1スネア」が肝なんですけど、キックが沈んでスネアが弾けないとダメ。どういう感じかと言うと、

 「ドゥドゥンッ、スパンッ!」

 っていう鳴り方。(分かるよね?)こう鳴ってくれないとグッとこないというか、エモくない。その点、VIRGOはしっかりエモく聴かせてくれるので、きのこ帝国の深淵を覗くことができるのです。キックとスネア、どっちかはOKでも両方OKのイヤホンって少ないですよねぇ。

総評

 Fidue A85 VIRGOは高い装着感、スムースでレンジの広いサウンド、エモい低中域が魅力のイヤホンでした。発売は11月2日で、ヘッドフォン祭でも試聴可能なようです。

 「ボーカルや低域を重視しつつも、高域も諦めたくない。」そんな人におすすめの1台だと思います。最近はやっすいハイブリッドイヤホンを見かけることも多いですが、そうしたイヤホンとは一線を画するサウンドであることは間違いありません。

 個人的にはForsteni以来、久々に欲しいと思えるハイブリッド型でしたね。ハイブリッド型にしてはハウジングがかなり薄く、ピッタリとフィットする装着感も魅力かなと思います。アルミなのでプラよりも強度が高いのもGOOD。

 価格的には5万円くらいのようですが、最近の5万円ってミドルクラスなんですかね?ハイエンドの中のローエンド?カテゴライズはなかなか難しいですが、価格相応の設計とサウンドにはなっていますので、機会があればぜひ試してみてください!おすすめです!

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