レビュー

【実機レビュー】FiiO X7&AM1〜AM5まで聴き比べてみました

FiiO X7 AM0 AM1 AM2 AM3 AM5

 IFA2016ではSONYとONKYOが新しいDAPを発表して話題になっていますね。自分好みのイヤホンを見つけた次は「良いはDAPを…」となるのは自然の摂理。ある者は高級DAP沼に、またある者は謎中華DAP沼に…読者諸兄も日々、良いDAPを求めてオーディオ砂漠をさまよっていることと思います。

 今回レビューするのは、そんなDAP界隈で「最後の良心」と称されるFiiOのフラグシップモデル「X7」です。さらには各アンプモジュールもお借りしたので、その音質の違いについても紹介したいと思います。ではさっそく見ていきましょう!

FiiO X7 AM0 AM1 AM2 AM3 AM5 レビュー

FiiO X7

まずはX7の内容物から
本体&AM1
充電&同軸変換ケーブル
保護フィルム
アンプ交換用ドライバー&予備ネジ
クリアケース
ケースとフィルムが同梱されているのはウレシイ!

FiiO AM0

続いてアンプモジュールのパッケージ。
全部同じパッケージなのでAM0を例に紹介します。

FiiO AM0

中には交換方法の説明書と予備ネジ。
ネジはホント無くしそうなのでありがたい!

FiiO AM0 AM1 AM2 AM3 AM5

アンプモジュール全員集合。
AM0だけはサイズが半分くらい。
標準アンプのAM1はちょっと色が濃くなっています。

FiiO AM2

モジュールは基盤むき出しなので保護用のゴムカバーが付いてます。

FiiO X7

アンプモジュールはT5ドライバーとネジで交換します。

 ということで、ざっくりパッケージから外観までをご紹介しました。ここで改めてFiiO X7の特徴と各アンプモジュールの役割について確認しておきたいと思います。

FiiO X7の特徴

  • 交換可能なアンプモジュール
  • 切り替え可能な2種類のOSモード
  • 高級DACチップ ESS ES9018S(≠ES9018K2M)を搭載

 X7の特徴としてまず目を引くのは交換できるアンプモジュール。これらを付け替えることでIEMから低能率ヘッドホンまで幅広い機器への対応が可能になっています。

 またPURE MusicモードとAndroidモードという2種類のOSモードを選択可能で、シンプルと多機能を両立。使う人のスタイルに合わせた楽しみ方ができます。

 スペック的にはES9018SというDACチップを使っているのが面白いですね。これはHA-2やDP-X1で使われているES9018K2Mとは異なるもので、据え置き機に使われるようなグレードのチップです。電力消費は大きいチップですが、高いダイナミックレンジと低歪み率を得ることができます。

各アンプモジュールの役割

  • AM0
    AM0はアンプ無しのモジュール。X7をアンプと組み合わせて使う際にバッテリー寿命が改善されます。

  • AM1
    AM1はX7の標準アンプモジュールでオペアンプにはTI OPA1612が使われています。推奨インピーダンスが16-100Ωとなっており、主にIEMを駆動するのに向いたモジュールです。

  • AM2
    AM2はミディアムパワーモジュールでオペアンプはMUSES02。推奨インピーダンスは16-150Ωで、AM1よりも駆動力が高くなっています。

  • AM3
    FiiO AM3
    AM3は2.5mmバランスモジュール。モジュールの中では唯一、2つの出力系統を持っています。オペアンプにはTI OPA1622を6基採用し、フルチャンネルのバランス出力が可能です。

  • AM5
    AM5はハイパワーモジュールで、オペアンプはAM2と同様MUSES02です。名前の通り大型のヘッドホン駆動を想定したアンプで、推奨インピーダンスは16-300Ωとなっています。

各アンプモジュール性能比較表(公式HPより)
FiiO amp

X7 機能チェック

FiiO X7

本体の右側面には曲送りと再生停止ボタン

FiiO X7

上部にはアナログラインアウトと同軸アウト

FiiO X7

右側には電源と音量ボタン。
microSDカードスロットがあります。

FiiO X7

サイズはiPhone6とほぼ一緒。
厚みはX7が2.5倍くらいあります。

 ハード面の特徴はサイズ感の良さですね。iPhone6よりは分厚く重いですが、片手でも問題なく操作できます。DP-X1もこれくらいスリムだったら…と思わずにはいられません。ということで続いてはソフト面を見ていきます。

FiiO X7

主な設定は上から下にスワイプすると出てくるメニューを使うと便利。

FiiO X7

OSモード切り替えは再起動が必要です。

FiiO X7

Androidモード画面。
普通のスマホのように使えます。
アプリも追加OK。

FiiO X7

PURE Musicモード画面。
AndroidモードでMusicアプリを開いた状態と変わりません。

 まず気になる起動時間ですが、電源ボタンを押してから約25秒かかりました。DP-X1が45秒くらいかかりますので、Android機としてはそこそこ速い方だと思います。その一方、電源オフは約3秒と爆速でした。逆だったらいいのに…。

 メインのMusicアプリは直感的とはいえませんが、標準的なつくりになっています。しばらく触って慣れれば特に問題ないUIですね。ただ一部日本語の曲やアーティスト名に文字化けがあったり、AACファイルをフォルダから再生するとうまくいかなかったりと、まだいくつかのバグがありますね。

 この辺は次のファームで改善してほしいと思いますが、FiiOは細かくやってくれるので大丈夫でしょう。

音質をチェック

 ということでやっとこさ音質の話まできました。長かった…。

 まずX7の全体的な音傾向ですが、DP-X1と比較すると中域を中心にギュッと濃く、音が近い印象を受けました。音場の広さではDP-X1に軍配が上がりますが、パワフルさではX7の方が良いですね。DP-X1はモニター的で、X7はリスニング的と表現しても良いかもしれません。

 高域を中心とした音のエッジの部分でも、DP-X1はストレートに刺さる音を出しますが、X7は柔らかで優しい雰囲気があります。長く聴くならX7の方が聴き疲れしない音ですね。この辺りはフラグシップとはいえFiiOらしい音作りだと思いました。

 ホワイトノイズに関してはAndromedaだと少し聞こえるレベルなので、一般的なイヤホンであれば問題ないと思います。ただWi-Fiに接続してApple Musicなどのサード製アプリを使うとノイズがありますね。静かな曲では気になるかもしれません。

 総じて、モニター調のクールでエッジの効いたサウンドとは違い、ウォームで温かみのある音質です。個人的に女性ボーカルの愛らしさはX7の方が好みでした。

アンプモジュールを聴き比べる

 ここからは各アンプモジュールの違いを聴き比べてみます。最初はミディアムパワーのAM2から。

 AM2はAM1と比較するともちろん音量が大きくなるのですが(ボリュームでいうと10程度)、特に中域の押し出し感が強くなり、ボーカルがより生き生きと聴こえてきます。AM1では少し眠い音だと感じた人におすすめのアンプですね。

 AM2からハイパワーモジュールのAM5に付け替えてみると、さらに力強さがアップしました。イヤホンで聴くと低域の量感が増したかな?という程度の変化ですが、ヘッドホンで聴くと大きな違いを感じます。AM5の方が低域のパワーと余裕がありますね。HD25で聴き比べると、ボーカルものならAM2の方が聴きやすく、ロックならAM5の方が合うと感じました。

 最後はバランスモジュールのAM3。こちらはOPA1622を使っていることもあり、AM2やAM5とはまた違った鳴り方をします。他のモジュールと比較すると解像感が高く、高域がしゃっきりと聴こえます。バランス接続にするとさらに音場が広がり、元々の音が濃いこともあって、音に包まれているような感覚になります。イヤホンを使うならぜひ試したいモジュールになっています。

総評

 FiiO X7はウォームで厚みのあるサウンドが魅力のDAPですね。AKなどとはまた違った方向性のサウンドで、「ブランドとしての音」をしっかり持っているメーカーだと感じました。

 使っていて思ったのは、ダイナミックイヤホンやヘッドホンの鳴らし方がとても上手いということ。低域の表現や音の弾ませ方がとても心地よいです。特にアンプモジュールを変えて聴くヘッドホンのサウンドは、DAP単体とは思えない良さがあります。

 イヤホンをメインに使うのであればAM3を、ヘッドホンであればAM5を、どっちも良く使うという方にはAM2がおすすめです。個人的にはボーカルが前に出てきて、華やかな感じのするAM2のサウンドが好みでした。

 ネットを調べてみるとまだまだアンプモジュールの発売が予定されているようなので、これからどんどん進化していくDAPなのかもしれません。機能・スペック的には文句なしなので、細かな点のブラッシュアップと今後の展開が楽しみにしたいと思います!ダイナミックドライバーが好きな方は、ぜひ試してみてください!

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