【レビュー】HIFIMAN HE400i 買わない理由がない音

HE400i

 今回は以前に予告していたHIFIMAN HE400iのレビューをお届けします。本機は一般的に鳴りにくいと言われる平面駆動方式ながら、強力なアンプを使用せずに楽しむことができるヘッドホン。現在セール中で2016年3/31までは通常価格64,800円が38,750円で購入できてしまいます。なんと26,050円引きですか。価格破壊すぎる…。

HIFIMAN HE400i レビュー

質感と装着感

 届いたパッケージを開けて驚いたのですが、めちゃくちゃ良い箱に入ってきます。箱に関しては上位モデルのEdition Xとほぼ同じ。革張りの素敵なパッケージですね。これだけで所有欲はかなり満たされると思います。

 デザインに奇をてらったところはなく、ミニマルな仕組みながら作りはとてもしっかりしています。黒くメタリックなハウジングは高級感があり、個人的にはかなりカッコ良いデザインだと思いました。ケーブルも布地になっていて、適度に太く安心感があります。

 耳がすっぽり収まるアラウンドイヤーで、側圧は適度に強く頭を振ってもズレることはありません。頭頂部に当たる部分がヘッドバンドから独立しているのが良いですね。痛さや違和感が無くとても快適です。ヘッドホンの重さはほどほど感じるくらいでしょうか。夏場はちょっと蒸れるかもしれませんが、装着感としてはとても快適な部類だと思います。

中低域に魅力を感じるサウンド

 パッと聴いてみて驚いたのは低域の量感。ハイエンドの開放型ヘッドホンは解像感を上げるために低域を絞ったチューニングのものが多いのですが、HE400iは中低域の存在感をかなりはっきり感じます。

 音場は広い方ではありません。どちらかと言うと音場をギュッとすることで、よりパワフルなサウンドを実現しているタイプのヘッドホンのようです。リッチな中低域からすると高域の主張は控えめに感じられますね。耳に刺さるような音は無く、とても繊細に鳴っています。

 ボーカルの表現は素晴らしく、特に女性ボーカルとの相性は最高です。安定した中低域と繊細な高域のおかげで情熱的でリアリティーを感じます。音場が広すぎないことでボーカルもはっきり聴きやすくなっていました。

特筆すべきは解像感と定位

 HE400iが他のヘッドホンと違うのは優れた解像感と定位です。平面駆動の非常に高い反応によって音の細部、いわゆる曲のピアニッシモ的な表現もはっきりと感じ取ることができます。さらに定位も素晴らしく、楽器の音がどこから入ってきて、どこへ消えて行くのかがまるで見えるように分かります。ボーカルのコーラスの位置まで聞こえちゃいますね。

 曲の細部まで聴こえるという意味では音楽制作でも使うことができそうです。でもこのヘッドホンでミックス作業したら、聴こえすぎてしまうが故にかえってミックスが決まらなくなるかも。エコーやリバーブの具合がはっきり聞こえます。録音の良し悪しも丸見えになってしまうので、聴く人が聴いたら曲の良さよりもそっちの方が気になってしまうかもしれません。

この音で4万円を切るのは恐ろしい

 かなり広い音場を必要とする音楽でなければ、HE400iに不得意なジャンルがあるようには思えませんでした。(ロックよりはポップスの方が良いとは言えますが。)例外があるとすれば「録音が悪い音楽」でしょうね。そういう意味ではHE400iが音楽を選んでしまうことはあるのかも。(試しにミッシェルを聴いたらノイズがめっちゃ気になりました…それも味かな?)

 この音で4万円を切るんですか…。恐ろしいとしか言いようが無いですね。開放型のヘッドホンが欲しいということであれば、まず選択肢に入れてほしい1台です。とはいえこの価格は3/31までのようですから、決断はお早めに!

 開放型にありがちな低域の不足に不満がある方や、繊細な音の表現・音の定位を重視する方にはぜひおすすめの1台です!