コラム

まだ音楽とか買ってるの?という時代はすぐそこに来ている

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 「え?音楽とか買ってるんですか?」という時代がすぐそこに来ている。

女子中学生「音楽は通信制限かかるから聴かない」ツイートに衝撃が走る – Excite Bit コネタ(1/2)

 このニュースを見て驚いたのは、むしろこの女子中学生に衝撃を覚えた人がいることだ。私としてはこの女子中学生の感覚の方が正常なように思える。だってCDって握手券のオマケでしょ?音楽って動画のBGMでしょ?そう言われたら「そうだね」と思うからだ。はっきり言ってコンテンツにお金を払う時代は終わってしまっている。(読者諸兄もこの文章がタダなのは当たり前であろう。)

 YouTubeやニコニコネイティブな人(つまりフリーミアムネイティブな人)にとってコンテンツはお金を払う対象になり得ない。彼らにはGoogleもTwitterもウェブサイトも動画もスマホゲームも全て無料なのだ。彼らがお金を払う対象は「コンフォート」なのである。

 より快適にニコニコを観るためにプレミア会員になり、より快適にTwitterを使うためにアプリを購入し、より快適にゲームを進めるためガチャを回す。そして、より快適に携帯を使うために帯域制限解除にお金を払うのである。そこに「コンテンツ」という概念はそもそも無い。だってお願いしなくたってユーチューバーの人たちは毎日動画をあげてくれるし、飽きたら他の動画を見れば良いのだ。

 冒頭の女子中学生にとって「音楽」というものが、何の快適も与えてくれないのは明らかだ。音楽業界が必死に著作権を守った結果、ユーチューバーの動画にジャスラック管理の曲は使われていないし、ニコニコ動画では素人が演奏したニセモノしか許可されていない。どうやったら彼女の中で音楽が尊いものになり得るだろうか?

 そんな具合で光の速さで音楽がその価値を減らす中、ついに音楽の在り方そのものが変わってしまった。

米国でストリーミング音楽配信が初めてダウンロードを上回り最大市場に。RIAA調査 – AV Watch

 音楽ストリーミングサービス。ユーザーがコンテンツに対価を支払わないなら、音楽そのものも「コンフォート」になるしかない。「月額◯◯円で聴き放題!好きな曲がいつでも聴けて便利(快適)ですよね?」というこのサービスは、実に今の時代を反映したものだ。

 それゆえ恐怖も感じる。確かにApple Musicはとてつもなく快適なサービスだが、これで良いのだろうかという思いは尽きない。「月額化していく世の中」というのは果たして本当に便利なのだろうか?私がApple Musicに支払う1,000円ちょっとのお金は、一体何に対する料金なのだろうか?

 音楽ストリーミングの世界的な流れは止まることはないだろう。音楽は自らが尊いものだという認識を捨て、サブスクリプションというパンドラの箱を開けてしまった。箱の底に残されたものは、救いとなるか絶望となるか。少なくとも私たちはもう少しだけ「何に対してお金を支払っているのか」を意識するべき時を迎えている。

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