ども。早いもので8月も今日で終わり、東京はなんだか肌寒い1日になっております。体調管理には皆さま充分お気をつけ下さいね。
今回はHIFIMANからRE2000の製品版をお借りしたので、レビューしていきたいと思います。価格もすごいですが、音も素晴らしいイヤホンです。
HIFIMAN RE2000 レビュー

外箱

ケースを開けたところ

付属品はケーブルとイヤピ

ハウジングは真鍮製

リケーブルは2pin

ケーブルの2pin端子

プラグはL字仕様
RE2000は真鍮ハウジングが目を引く、特徴的なデザインのイヤホン。装着は耳掛け式で、2pinによるリケーブルが可能となっています。
パッケージはしっかりとした箱とケースで構成されていますが、付属品はシンプルですね。本体とケーブル、イヤピが5セットのみです。
真鍮製の本体は適度な重量があり安っぽさはありません。しかし、ロゴのプリントは使っていくうちに剥げそうな気がします。ここは印字より刻印だと良かったかもしれません。
装着感は自分に合うイヤピを選べば、しっかりとフィットします。付属品のイヤピはあまりしっくりこなかったので、試聴では他社製のイヤピを使いました。
耳の奥まで入るタイプではないので、遮音性はそこそこですね。気になる方はフォームタイプのイヤピを使うと良いと思います。
デザインはあまり見かけないタイプなので好みの分かれるところでしょうけど、読者諸兄はどう感じるでしょうか?ひと目でRE2000と分かるので、無難なデザインよりは面白いかもしれませんね。
圧倒的な音場と分離感
RE2000は「トポロジーダイヤフラム」と呼ばれる特殊なコーティングを施した振動板を採用したダイナミック型イヤホンです。15万円を超える高額な製品となっていますが、サウンドはその価格も納得のクオリティーとなっています。
まず一聴して驚くのは音場の広さ、定位、分離感です。上下左右方向だけでなく、前後方向にも定位を感じられます(もちろん頭内定位の範囲ですが)。
この定位感は特にドラムスで分かりますね。スネアやリムショットが頭の後ろで聞こえ、ボーカルが頭の前で歌っているように聞こえます。これはなかなかイヤホンで体験できるものではありません。まるでヘッドホンのような広さを感じます。
さらに分離感も非常に高いので、音数が多い曲でもどこでどんな音が鳴っているかはっきりと聴き分けることができました。耳コピするのにも良いイヤホンかもしれません。(それ目的に買うには高すぎますけどね)
この抜群の広さと定位、分離感がRE2000の1番の魅力と言っても良いと思います。それほどの凄さを感じました。
音のバランスは低音から高音まで過不足無いフラットな傾向。ダイナミック型らしい厚みのある低域と、ダイナミック型とは思えないクリアな中高域が印象的です。特に中高域は真鍮素材を活かした美しい響きを持っています。このあたりはさすがハイエンドクラスですね。
同じくハイエンドダイナミックであるbeyerdynamicのXELENTO REMOTEと比較すると、全体的なトーンがクールなXELENTO REMOTEに対し、RE2000はほんの少しウォーム寄りの音色をしています。低域は弾むような力強さと締まりのあるXELENTO REMOTEに対し、RE2000はやや柔らかで広がりのある鳴り方をしていました。
低音を重視する方はXELENTO REMOTE、音場の広さや定位を重視する方はRE2000が良いように思います。別の表現をすると、スピード感があるのがXELENTOでゆったりと聴けるのがRE2000と言っても良いかも。どちらも甲乙つけがたい優れたイヤホンですね。(どっちも買えないですけど…)
リケーブルしてみる

Clear Force 2.5mmにリケーブル
せっかくリケーブルができる仕様なので、ORBのClear Forceを使ってバランス化に挑戦。私の環境では特に問題なく音が出ました。
RE2000はインピーダンス60Ω 感度103dBということで、スマホや出力の弱いDAPではやや鳴らしにくい印象ですが、バランス化することでDAPでも余裕を持って鳴らすことが出来ます。XDP-30Rでも楽にボリュームがとれました。
定位や音場の広がりがさらに拡張され、解像感も1段増したように聞こえるので、RE2000はぜひバランス化して聴いてほしいですね。そういう意味ではHIFIMANから純正のバランスケーブルが出てくることも期待したいです。
総評
RE2000はイヤホンとしてはトップレベルの音場と定位感を持ち合わせたハイグレードな製品でした。小さなノズルから出る音で、ここまで空間を表現できるとは…恐れ入ったというのが正直な感想です。音自体はRE800に似てますが、広さが段違いですね。
もちろん音場だけでなく、音の1つ1つも表現力に優れ、特にギターの弦の震えなどは素晴らしくリアルに聴こえてきます。分離感に優れているのに音がとっちらかることなく、きちんと音楽として成立しているように聞こえるのは、マルチBAではなくダイナミック1発だからこその魅力と言えそうです。
アコースティックから電子音楽まで、特にジャンルを選ぶような音にはなってないと感じたので、この音色に惚れ込めば長く付き合える1台だと思います。
最近はDITAやXELENTOなど、ダイナミック型も10万円を超える超ハイエンド機が増えていますが、RE2000もまた他にはないオンリーな魅力を持った機種に仕上がっていると感じました。ダイナミック型の最高峰を体験したい方は、ぜひチェックしてみてください!
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