コラム

好きなことを仕事にしようと思った時、僕らはどうすべきなのか

51vtdfjmzdl-_sx344_bo1204203200_

 今回は学校で教えてくれない話をひとつ。最近、『やり抜く力』という本が売れてるのを知って読んでみたんですが、これがなかなか面白かったです。

 「才能では成功できない。」成功に必要なのは「やり抜く力(GRIT)」であるというのが、本書のテーマなのですが、「努力と才能」に関する実例が豊富に掲載されていて、とても興味深く読むことができました。

 特に「どうしたら、辛抱強く努力できる子に育てられるかな?」という疑問を持って本書を手にしたので、その点はとても参考になりました。(才能ではなく努力を褒めること、失敗を恥だと思わせないこと、楽観的に考えさせ練習させること。)

 このコラムでは「才能と努力」というテーマからは少し離れて、「好きなことを仕事にすべきか否か」そして「好きなことを仕事にすること」とはどういうことなのかについて、私の経験も交えて書いてみたいと思います。

好きなことを仕事にするか否かの結論

 好きなことを仕事にするか否かというのは、案外意見が分かれるテーマのようです。「夢で飯は食えない」「情熱よりも堅実」といった考えの方もいれば、「月曜から金曜まで我慢する人生なんてまっぴら」という方もいるでしょう。

 本書によるとこの問題は「興味」について研究している科学者たちが、この10年ほどで最終的な結論に達したそうです。

 研究によると、「第一に、人は自分の興味に合った仕事をしているほうが、仕事に対する満足度がはるかに高く、第二に、人は自分のやっている仕事を面白いと感じているときのほうが、業績が高くなり、同僚に協力的で、離職率が低くなる。」とのこと。

 つまり、自分が好きだと思える仕事をすると、とても満足できて効率も良いですよ。ということです。当たり前といえば当たり前。

 人は自分が面白いと思ったものには時間を忘れて没頭できますが、退屈でつまらないことはすぐ嫌になってしまいますからね。私もヘッドバンクで記事を書いている時は、3時間も4時間も時間を忘れて書いていることがあります。これは楽しくなければ絶対に無理だなといつも思います。

好きなことを仕事にするための障害

 ただ好きなことを仕事にするべきだと分かっても、現実的には困難である場合がほとんどですよね。まずもって日本企業に総合職採用で入社した場合には、職種を選ぶのはほとんど不可能になっています。そう、そもそも仕事を選べない。

 そういうもどかしさもあって私はサラリーマンとして生きる道を降りたのですが、会社を辞める時に考えていたのは「この人生で自分は何をするか」ということでした。もっとできること、成すべきことがあるんじゃないかと、ずっと考えていたんですね。

 ただ今思うと、辞めるという選択はもう少し慎重に考えても良かったかなと思います。私はわりと決めたら進んでしまうタイプなので「辞めちゃえー!」って感じで行ってしまいましたが、会社にいつつ好きなことを仕事にする可能性を模索する道もあったかもしれません。

 とはいえ、自分の人生を何に捧げたいか分かっている人は、やはりできるだけ速やかにその道を目指すべきだと思います。すぐには叶わないとしても、すぐにでも挑戦を始めるべきです。1番の障害は「そんなの無理」と決めてしまう、自分の心ではないでしょうか。

専門性a×専門性b×専門性c

 これも当たり前の話ですが、好きなことを仕事にすることと、ただ好きなことをするというのはイコールではありません。いくら好きだからといって、ただ毎日イヤホンで音楽を聴いていても、それだけで食べていくのは困難です。

 そこで必要になってくるのが「専門性」(あるいはスキル)。それも仕事としてやっていくと考えると、1つでは足りません。鷲田小彌太氏は著書『自分で考える技術』において、現在のような高度情報社会では「5つ程度の専門性」が必要になっていると述べています。

 簡単にいうと、ただ「イヤホンに詳しい人」は数多くいるわけですが、そこから「アニメに詳しい」「お酒に詳しい」とか、さらに「英語が話せる」「WEBデザインができる」というような専門性を持っていれば、希少な人となるわけです。

 Googleで検索のキーワードを足していくと、どんどんヒット数が減っていくのと同じですね。

 好きなことで仕事をしていこうと思った時、自分の手持ちのカードを眺めるのはとても大切なことだと思います。それは単に自分が何ができるか確認するためでなく、「それらを組み合わせて、何か面白いことができないか」を検証するためでもあるからです。

 ペンとアップルを組み合わせたらアップルペンができたように、今の世の中、新しいと言われるものは「組み合わせ」の中から生まれます。自分の専門性を掛け算していった時に、一体どういう面白いものができるのか、あるいは逆に、理想のためには今の自分に何が足りないのかを考えてみるのも必要なことだと思うのです。

「継続は力なり」

 とはいえ、どんなアップルペンが出来たとしても、それに情熱を持って継続的に取り組めなければ仕事にはなりえません。ブログなんてものはその最たる例で、書き始めた頃なんて、それはもう惨めなほどアクセスがありません。それでも熱意を持って続けるからこそ、少しずつ上達し、成長していけるのです。

 個人的に好きなことを仕事にするのは、とても挑戦的ですが価値のあることだと思っています。成功のためには、ユニークな複数の専門性と、何もかも捧げても良いという(ある種ブラックな)情熱が必要だと感じているのですが、残念なことにヘッドバンクがそこへ至るには、まだまだ足りないものだらけです。

 それでもポータブルオーディオを愛する人たちに「なんか面白いサイトだな」と思ってもらえるよう、これからも「やり抜く」所存なので、変わらずご支援いただければ、これ以上うれしいことはありません。

 この記事が、好きなことを仕事にしようとする方の支えになれば幸いです。共にやり抜きましょう!

やり抜く力――人生のあらゆる成功を決める「究極の能力」を身につける
アンジェラ・ダックワース
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 14

関連記事

  1. IMG_5673 イヤホンをキレイに撮影する「3つのキホン」とは?
  2. ATH-AD500X 【初心者向け】1万円で買えるオススメのヘッドホン&選び方
  3. 23344 シューゲイザーを聴くのにおすすめのイヤホンはこれだ!
  4. headbank0507 2016年 上半期 HEAD Bank 人気記事を総まとめ!
  5. 4187eZLCYLL 約40万円の怪物イヤホン SHURE KSE1500が抱える誤算…
  6. RP-HD7 知ってた?パナソニックのハイレゾロゴが普通じゃない件
  7. 20151203184712 AK320は25万円!この機種は「買い」なのか?
  8. AROMA A10 ハイパワーなポータブルアンプ3機種 買うならどれ?

ピックアップ記事

  1. B&O Beoplay E8
  2. Fidue A85 VIRGO
  3. SIMGOT EN700 PRO
  4. Astrotec LYRA Classic
  5. OSTRY KC09
  6. HIFIMAN RE2000
  7. Unique Melody MACBETH II Classic
  8. acoustune HS1551 HS1501
  9. EN120
  10. NuForce HEM8(LTD)

おすすめ記事

Marshall Monitor Black 【寄稿レビュー】Marshall Monitor Black この音はまるでライブ! HIFIMAN SHANGRI-LA 【取材】594万円のヘッドホン HIFIMAN SHANGRI-LAの音 Mitchell and ​​Johnson GL2 【レビュー】Mitchell and ​​Johnson GL2 静電型がこの価格!? HIFIMAN HE1000 【レビュー】HIFIMAN HE1000はどれくらい鳴らしにくいのか HIFIMAN HE400S 【レビュー】HIFIMAN HE400S ポタで鳴らせる平面駆動型! HIFIMAN Edition S White 【レビュー】Edition S White 色が変わって魅力アップ? Edition X V2 【レビュー】HIFIMAN Edition X V2を初代と比較しました YAXI for HD25 Comfort 【開封】YAXI for HD25 TypeBとComfortを買ってみました(小ネタも) gs2000e-2 【レビュー】Grado GS2000eとPS1000eを聴き比べ massdrop HE-350 RE-00 【開封】massdrop限定!HIFIMAN HE-350とRE-00が到着!
PAGE TOP